Androidデバイスでも簡単にデータベース~現在唯一とも言える「Memento Database」

PCツール

Androidデバイスは結構気に入っているのですが、Filemaker Proと iPhone/iPad用のFilemaker Goの組み合わせを検証していて思いました。Androidデバイス用に決定的に足りないのはこのデータベース系のアプリケーションだなと。

私自身、Windows環境でMicrosoft AccessとFilemaker Proをケースバイケースで使い分けていますが、両方ともにAndroidデバイス用のソリューションが存在しません。FilemakerはAppleのおそらく秘密兵器的な位置づけに置かれていると思われるので、私の予想では絶対にAndroid用のアプリは出てこないと思います。Apple社にとってはAndroidデバイスでできない事を決定的に差別化するソリューションだからです。

Androidアプリの開発環境を自由にいじれるスキルを身につけている人は、Filemakerなどに依存しなくても独自のデータベースアプリを作ることはもちろん可能です。しかし、Filemakerの様に汎用性を持たせかつ柔軟性の高い高機能なソリューションを開発するのは容易ではありません。つまり当分はFilemakerに匹敵するソリューションは出てこないと思います。この点でiOSデバイスのユーザーは、Androidデバイスユーザーよりもビジネスジャンルでは優位に立っていると言う説もあります。実際、店舗のPOSシステムや在庫管理システムなどにはiOS環境でFilemakerが活用されており、タッチデバイスとしてiPhoneやiPadを使ってFilemaker Goが活躍している場面をよく見かけます。

私もFilemaker Pro 12と検証用のiPhone4を使ってテスト的なことをやっていますが、やはり手軽に柔軟性のあるシステムが作れるのはかなり優位に立っていると思います。ビジネスジャンルでよりオーダーメードに近いシステムを低価格で構築するには、Filemakerの優位性は当分揺るがないだろうと思います。

さて、そんなビジネス用途ではFilemakerの独壇場だとしても、もっとコンシューマ(パーソナル)寄りのデータベースアプリが無いだろうか、以前から探していました。幾つか候補があって検証しましたが、なかなかしっくり来るアプリは登場して来ませんでした。半ば諦めの状態が続いたのですが、「Memento Database」がなかなか使える状態になっていることを目にしたので、改めて検証してみました。結果的には個人でカード型データベース的に使用するにはこれで十分ではないか?と感じます。

私にとって重要なのは、データを書きだしたり読み込んだりする機能の精度です。インポート/エクスポート機能は必須と考えています。なぜならタッチデバイスでデータを入力することは効率が悪いと考えているので、基本データはPCで加工してCSV形式などでデータベースシステムに取り込む必要があると考えています。その基本データに対して必要に応じて肉付けしていくのがタッチデバイス等のポータブルデバイスです。つまりAndroidデバイスを持ち歩きながら気づいた時に編集したり追加したりして行きながらデータベースの充実を図ります。

私が欲しいと思っているこの機能を現バージョン(2.5.0)は概ねカバーしてくれています。

更に嬉しいのは、Googleドライブとの連携(Sync)機能です。データベースのテーブルがスプレッドシートで連携してくれます。同期(Sync)にはやや時間がかかるものの、Androidデバイス側でSyncを実行すれば、相互に変更内容を反映させる事が出来るので個人で使うにはこれがベストに近い方法では無いかと思います。

試しに、総務省が配布している携帯電話の番号割り当て(通信事業者)の表をリスト化してCSV形式にし、Memento Databaseにインポートしてみました。CSVファイルの文字コードはUTF8にしておかないと(SJISだと)文字化けしてしまいます。注意点は文字コードをテキストエディタ等で揃えておく事位でしょう。

090、080、070から始まる電話番号のデータベースを登録しました。070番号は未割り当てがまだ多いので、有効データは2,000行弱となりました。単純に下記の様なリスト記述のデータにしました。

number,carrier
090100,ドコモ
090101,ドコモ
090102,ドコモ
090103,ドコモ
090104,ドコモ
090105,ドコモ
090106,ドコモ
090107,ドコモ
090108,ドコモ
090109,ドコモ
090110,KDDI
090111,ドコモ
090112,ドコモ
090113,KDDI

データのソートや検索は「Memento Database」の標準機能を使いますが、これで必要にして十分です。UI部分は考慮しなくて良いのでお手軽さ最優先で良い具合だと思います。

12万行以上ある郵便番号辞書をインポートしてみるとどうなるかは、後々検証してみたいと思います。データ量だけでかなり膨大になるので恐ろしく重くなるだろうという予測は先に立ちますが実用域に入るのかどうか・・

この手のアプリはユーザーが増えないと改良も活気づきません。日本国内では「Memento Database」のユーザーインターフェースが日本語化されるとまた違ってくるとは思いますが、そのためには日本人ユーザーが増えて活発な意見やフィードバックを寄せられるようにならないと実現しないでしょうね。つまり卵が先か鶏が先かで堂々巡り。正直なところあんまり期待はできないかなと思っています。

いずれにしても、私にとっては手軽に使える優秀なデータベースであることは実感できたので、Googleドライブで管理したいデータを連携させて、充実させていくようにしようと思っています。Googleドライブ連携というクラウド対応なので、使い方によっては複数人でデータベースを更新していくという協業作業にも使えるんじゃないかなと思ったりしますがこちらについてはあまり興味が沸かないので未検証です。

Filemaker ProとGoの連携においては、Filemakerを稼働させておくサーバーが必要になりますが、「Memento Database」で手軽に済ませられるなら、AndroidデバイスとGoogleドライブの連携で設備面も手軽です。もちろんデバイス単体での使用ならFilemaker Goも手軽だと思いますので、用途や求める機能(仕様)次第でしょうね。

私は普段はiPhoneは持ち歩かないので、Androidデバイスでこういうことが出来るのは非常に嬉しい環境が整ってきたなと、これから先にも期待しています。

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