航空業界って標準的メイク術があるハズなんだけど

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トルコ人女性の顔のイメージがすぐに出てこないのでアレですが、かなり厚化粧で濃ゆーい感じだったんだろうかとか思ってしまいます。

厚化粧はやめてください!トルコ航空、スチュワーデスに厚化粧を禁止 – お役立ちコラム - MSNライフスタイル

元、航空業界で働いていた私は、一昔前の航空業界の事、裏事情とかはちょっとだけ知ってます。現在はCAと呼びますが、スッチーとか言われてた時代には、そりゃもう航空会社も超売れっ子ホステスさんを扱うかの如く、ハイヤー(タクシーちゃいまっっせ)を手配して、ご自宅まで送り迎えをする部署があったりとか、そりゃまぁすごかったものです。

入社間もないスチュワーデス候補生が訓練を受けるセンターにも私は出入りをしていたのですが、廊下ですれ違う度に「こんにちわー」って挨拶されて、そりゃ10名とか20名とか連なって来られた日には、頭ペコペコ下げて歩かなきゃならないしなんか異次元だったなって思います。アレはなんだったんだろうな・・

そういう空間に、外部の人(メーカーのエンジニアとか)を引率して作業してもらったりした日には、廊下でスレ違いイベントが「天国の様ですねー♪」って鼻の下の伸びた満面の笑みを見せてくれたり、社員食堂で昼食を隣の席とかで食べたりするイベントを体験させてしまうと、もうお昼休憩中に「こんな素晴らしい所は初めてですよ!」とか、「あなた達はいつもこういう所で仕事出来て幸せですね。僕は帰りたくありませんよ。」てな事を言われたものです。

「イヤイヤそれ違うし」って夢を壊すような事はとても言えないので、つかの間の夢に浸っていただこうと、職員専用の休憩室に連れて行ってあげて、さほど広くない空間でくつろぐスッチーの中におじゃまさせてあげて、もうメーカーのエンジニア有頂天にさせたりして遊んでました。はい(w

そういうのってちょっとしたテクで、すぐ仲良くなれるので顔見知りのメーカーのエンジニアとか出来てました。これだけで機嫌よく作業してくれるし、もしかしたら、そのエンジニアは普段の能力以上の仕事をしてくれていたかも知れません。

さて、一方で私は日常的にスッチーとも、現場(彼女達の職場に限りなく近い空港、つまり航空機のコチラがわ)で遭遇し、現場での姿を何度も見ているので、地上職員と機上職員の隔たりとか嫌でも空気の違いを感じ取ってしまっていたので、結構やな空気とか感じたものです。配属された部署によって格差があったんですよね昔は。今は知りません。

だから、訓練センターの廊下ですれ違う、この娘たちも、半年もすれば現場でまちがっても「こんにちわー」なんて言ってくれなくなるのは当然の如く知っていたのです。だから訓練センターで外部の人の夢を壊さないようにこれは言うまいと黙ってました。

それが高卒で就職してすぐのまだ20才にもなってない私の、現実はオモテウラが有るし、実に厳しいなって悟った青春時代でした。お陰様で世間の厳しさを悟るのは早かったです。本当に。

さて話を戻して本題の化粧です。日本の中央となる空港で毎日毎日働いていた私は、鈍いと言われつつも何かを感じ取っていました。一つは本題のスッチーの化粧です。例えば私は空港の近くの寮に住んでいたので、オフの日に空港から程近い街の駅でスッチーくさい女性を見かけたりすることがしばしばありました。その場合はほぼ間違いなくスッチーでした。その特徴の一つが化粧(メイク)です。

どこがどうなん?って言われると、知らねーよとしか言えないのですが、何か共通点があるのです。絶対スッチーだって思ってよく見ると、髪の束ね方、荷物(キャリー御用達)、スカートの丈、履いてる靴、ストッキングの色、別に女性に興味津々だった訳ではないのですが、ほぼ間違いなく的中していたと思います。

極めつけは会話から聞こえてくる業界用語・・もう本決まりです。

そんな化粧ですが、私は通信機器のメンテナンスを訓練センターの一室であくせくと行なっていたところ、教官と思わしき女性が、「この部屋使っても良いかしら?」みたいに入って来た事がありました。基本的にこういう通信機器はスッチーには縁のないものなのですが、地上職の業務を体験するって慣習が昔はあったらしく、そのための機器を設置した教室があったのです。基本的に空いてる時間にしかメンテさせてくれません。

何をするのかな?と思いながらもメンテナンスを続けていたら、ぷわーんと女性特有の香りが香ってくるし、ケラケラ、キャッキャと笑い声とか聞こえてき始めます。ふと座り込んでいた状態から腰を上げてみると、メイクの授業を本気で(テキストとか見ながら)やってました(w

化粧に共通点がなんとなく有ると思ったら、「授業で教わってたのかよ!」とその核心の部分に触れられて、私はもう自分の洞察力の素晴らしさに一人満足していたのでした。ホントあの頃のスッチーの化粧は、ケバさとかは無縁の、誰でもが上品に見える化粧だったと記憶しています。化粧だけでなく座り方とか、立ち方、お辞儀の仕方なんてのも授業でやってるのをみかけたことがあります。お給料もらいながらメイクの仕方を教えてもらえたんですよ。バブリーな時代でしたね。

会社が金かけて本気で育ててる、この人らプロのホステスさんやな。ってマジで思いましたね。

その頃は到底考えもしませんでしたが、あの頃の人材育成にかけるお金は途方も無いものだったと思います。つまり航空会社としては、銀座の一流ホステス以上に金がかかっているホステスさんを育てていたみたいなものです。

後に知ることになるのですが、こういう訓練を受けた人は、航空業界を去った後でもつぶしが効きます。企業の新入社員研修の講師をしたりとか、もちろんメイクの講師なんかも出来ちゃう訳ですよね。一種の手に職つけたみたいなものです。あの頃は企業がお金を使って人を育てていた。私も少なからずそういう恩恵は受けています。

さて、今の時代にはスッチーという言葉は無くなり、CAですし、社員ではなく下請け会社からの派遣だったり、どんどんスッチーの地位も下がったと聞きます。だって電車で団体様で帰宅しているスッチーさんを見かけることなんて当初はなかったのに、私が社会人歴10年を越えた頃には、当たり前に見かけるようになっていましたからね。当然ハイヤーで送り迎えなんて過去のものです。

話を戻して、お化粧(メイク)には本当にテクニックがあると思います。本気で教わってコツを身に付ければスッチーメイクだろうが、キャバ嬢メイクだろうが、女性はどんな職業にでも化けることができます。デパートの一階のまばゆいフロアでは大抵こういうメイク関係の売り場になっていますからね。女性が女性である以上なくならないでしょう。

という訳で、「厚化粧禁止」って言葉だけじゃ無理だと思います。美的感覚の統一化というか、指導というか、そういうのにお金と時間をかけないと無理でしょう。今回もかなり話が脱線しましたが、化粧って奥が深い本当にそう思いますよ。

この記事はS-Factory ANNEXとしてココログで公開していましたが、あちこちに点在させるより集約したくなりS-Factoryブログへ引っ越しさせてきました。TypepadからWordpressに変換させた為、一部変換に不具合があるかも知れません。

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