保守サービスの料金について

今日はサービス内容と料金体系について再検討してサイトを更新しました。そこで先日クライアントから質問された事で、根本的なところについても考えてみたので記してみようと思います。

PCサポート等の料金プランは、大抵のばあい「出張費+基本料金+技術料」の合計になっています。私自身も保守の仕事は何度も携わって来ているのですが、どうしてもこういう計算の仕方になってしまうなぁというのが現時点の結論です。色々な不確定要素があるからです。当店においても同様の計算方法になります。

出張費はまだしも、基本料金技術料の住み分けはどうなってるのか?という質問を受けて、その時に即答で明確に回答するのが出来ませんでした。恐らくどこでも同じ感じじゃないかと思います。よってそこはある程度でもルールを定めないといけないと思いました。つまり決め事ですね。これを機会に明確に分けました。

出張費

当店の場合は、大阪符池田市を拠点としていますので、北摂地域でのサービスを原則としています。よってクライアントの住所が当店の決めた市であれば、出張費は4,000円ときっぱり決めました。最初は基本料金に込みにしていましたが、敢えて出張費という事で分けました。これは準備を含めて片道60分と考えて往復2時間を拘束されることと、それ以上かかる場合もあるであろう事を想定して、単純に時給換算で2,000円としました。手ぶらで出歩いている訳ではありませんし、移動中も迅速に対応すべく頭の中で色々なシミュレーションをして手順を計画していますから働いていると考えるべきだと思い直しました。私がアルバイトに出るとこの金額程度は頂いているので、適切な設定だと考えています。

北摂地域以外からのご依頼となると、移動にかかる時間が想定できません。よって原則としてお断りすることになるのですが、問題は移動(出張費)の部分ですので、ご理解をいただければ出張費の割増で対応させていただくこともあります。実際、大阪市以南のクライアントからも数件ご依頼をいただいています。正直申しましてやはり移動に時間がかかります。

基本料金

この項目は一見すると漠然としているのですが、エンジニアとして常識的に備えているスキルを使って対応する作業の料金として、最低これだけは頂きますという金額です。仮に池田市内のクライアントからPCのネットワーク接続やメーラーの設定などの基本的なご依頼をいただいた場合は、4,000円+10,000円の合計で14,000円のご請求となるわけです。ですからメーラーの設定だけでなく、IMのインストールから設定、フリーメール・アカウントの取得、SNSへの登録なども一緒にご依頼いただければ、サポート料金を支払っていただくお客様にとっても単発のご依頼よりもお得で満足いただけるのではないかと思うのです。

一例を挙げると、最近ではIMのインストールはあまりニーズがありません。私自身もほぼ使っていませんし知人も使わなくなりました。そのかわりにFacebookやGoogle+、Tumblr等のSNSへの登録使い方を知りたいというニーズが増えてきています。IMはもはや融通の効かないシステムですし何よりも使っている人が減るとどうしようもありませんね。

メッセンジャー機能として逆に普及しているという例外はLINEでしょう。LINEはスマートフォンユーザーに爆発的に普及しているので、PCアプリでも連携して使えるのはキー入力が速くて便利です。これはお勧めです。カカオトークからの派生ですが、ビジネス戦略的に完全にLINEが勝ちだと思います。もはや先を走っていたSkypeでさえ巻き返せないのではないかと感じています。

余談ながらFacebookはどちらかと言うと中高年向け、ジュニア層が好むのはTumblrでしょうか。いずれにしてもこの様なサービスを活用したいと考えるニーズは増えてきています。SNSを始めたいけど何をしたら良いか分からなくて始める事が出来ないという場合は、相談していただければ可能な限りお答えしています。パソコンをお店に見に行くのも不安だというのも良くわかる世代に私もなってきました。今までの人生に無かったジャンルへ足を踏み入れるのはそういう不安がつきものです。近場の方は是非お気軽にご相談下さい。

なお、ご依頼をいただく際に、コレとコレとコレを依頼したいと、予め言っておいていただければ殆どが基本料金内で対応可能な場合が多いです。しかし大抵の場合事前にお聞かせいただくのは難しいらしく、サポート対応中に「実はコレも上手くできなくて・・」という感じで相談を受けるのが実情です。そして一つ解決すると次の課題も思い出して・・という感じが実情です。事前に準備しておけばアッサリ対応出来たのに・・というケースが実は結構多いので、サービスをご提供する側としては、なるだけ事前にご相談頂きたいです。それが一番お互いにとって幸せな方法の秘訣(テクニック)です。

技術料

基本料金で対応出来ない要件の場合は、ご相談を受けた時にすぐにお応え出来ます。しかしその技術料については、詳しくお話を聞かないと算出出来ません。言い換えるとそういう簡単な作業ではないから別料金となる訳です。予め準備しなくてはならないこともありますし、調べてみないと分からないこともあります。それだけ現代社会には物やサービスが氾濫しています。全てを即答で回答出来る人は居ないでしょう。言い換えるとそれを調べて対応するスキルの対価としていただくのが技術料です。

エンジニアである立場上、この部分には非常にシビアに考えています。技術者であり続けることは、常に向上を意識しているという事でもあります。よって初めてのケースからは逃げずに対応して解決させる事に注力しますし、二度目、三度目にはもっと効率よく短時間で解決させるのがエンジニアとしては常識でありプライドです。

更にそれ以上の回数遭遇する課題であれば、何らかの手法によってもっと合理的で短時間に対処可能な工夫を考えます。私なら場合によってはプログラミングを行ない、保守用の自作アプリケーションを作ることを検討するでしょう。プログラムツールを使う事も技術です。自動車整備士が色々な工具を持つことと同じと考えていただくとご理解いただけるのではないでしょうか?

ここで非常に勘違いを招くのですが、仮にどれだけ無駄なく手際よく手作業で処理を行なっても30分はかかるという作業があったとします。それを私が自作のアプリケーションを使い、一瞬で問題を解決したとしましょう。これをお見せすると「たった一瞬で終わる事なら大した問題ではないじゃないか!」という考えを持たれてしまいます。つまりそんな事に技術料を支払う価値は無いという考え方をされるのですが、これはエンジニアにとって非常に辛いところです。

敢えて記しますが、一度や二度のケースでは保守の為の自作アプリケーションを作ろうという発想には至りません。なぜならアプリケーションを作るという事は、その課題を解決することの何倍もの時間と労力を要するからです。よってこの先何度も同じケースへの遭遇が想定される場合でなければ、プログラミングで保守用のアプリケーションを作ることは有りません。

この部分を言い換えると「自作のアプリケーションを作って数多くの問題を短時間で解決した」という所に、エンジニアとしてのやりがい(やった感)を感じるのです。ちなみにエンジニア歴約20年の私がプログラミングスキルを身につけたのは2012年末ですからまだプログラミング歴は数ヶ月です。プログラミングスキルを身に着けていないエンジニアももちろん沢山いますし、そういう人達は他の方法で工夫をしています。事実数ヶ月前までの私がそうでした。色々なツールの組み合わせ等に知恵を絞り、より迅速かつ正確に作業が行えるように工夫します。プログラミングスキルがあれば、それらを一つのシンプルなツールに集約出来る可能性が高くなります。

もう一つ技術料について別の表現をしましょう。あるトラブルを復旧させるのに1時間かかるエンジニアと、5分で終わらせるエンジニアがいたとします。厳密には同じ課題で比較しないとわかりませんが、どちらが優秀かという疑問です。どちらのエンジニアに報酬を支払う価値があると感じますか?

日本では多くの場合、余計に働いてくれたエンジニア、つまりこの場合は1時間一生懸命働いてくれたエンジニアに払いたいという感情が働くことです。おそらくこの場合は労力をつぎ込んでくれたという部分を評価しています。しかし目的はトラブルを復旧させる事です。仮にシステムを停止させることで、売上が停止してしまう様な重要なものだといかがでしょうか?復旧までに60分かかるエンジニアと、5分で復旧させる事が出来るエンジニア、どちらに依頼しますか?55分余分にシステムを止めたことの影響を考えると言うまでもありませんね。

繰り返しになりますが、我々エンジニアと呼ばれるジャンルで生きている者にとっては、ダラダラと同じ事を繰り返すことはエンジニアとして無能で恥だという思いがあります。もちろんそれ以上短縮出来ない洗練された手順や技能はあるでしょう。しかしそれは職人と呼ばれる領域の人を指し、エンジニアとは別と認識すべきです。エンジニアは常に可能な限り効率よく、ミス無く対処出来るように工夫をし続けます。手順を整理してマニュアルを残すのも効率を上げ、品質を上げる為に行うことの工夫です。工夫を怠る様になったエンジニアは、エンジニアとしてお終いだと思います。

こういう部分は客観的には見えづらいので、クライアントにはなかなか分かって頂けない部分です。しかし我々はもっと積極的にこういう部分をアピールして事情をご説明して行かなくてはならないと最近感じています。どうやら典型的な日本人では、優秀なエンジニアには成れないようです。「ここはこういう工夫をしています」というアピールをして行くのが私達の課題でしょうし、そうする事によって、技術料がなぜ別枠なのか?なぜその金額なのか?がご理解いただける様になるように思います。

実は、結構追い詰められつつ努力している部分なのです。もちろん作業を完遂した時の達成感は大きいですが、その分プレッシャーもあります。大抵の場合いただく報酬以上の労働をしています。そしてそれを身に着けていくと、それは私にとっては標準的なスキル(技術)になります。

そういう面では、分かっていても中々アピールする事が出来ないという、日本人的エンジニア気質を何とかしなくてはならないと、改めて自戒しているところです。もっともっと自己アピール出来るように意識し続けようと思います。それがクライアントの為にもなると今は信じています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました