車両のロケーション・モニタリング・システムについて、クライアントから要件をヒアリングしながらリサーチを進めています。クライアントから要求されている要件は、ヒアリングを繰り返しイメージを固めていただいたところ、ロケーションモニタリングの機能としては比較的シンプルに落ち着きそうな感じです。
特徴的な要件は、外付けモニター(高解像度大画面)に広域マップを常時表示しておきたいというニーズのみです。手っ取り早くHDMI対応の大画面ディスプレイを壁掛け等の方法で設置して、HDMIケーブルでPCに接続すれば、OSの機能でサブディスプレイとして使用出来ると思っています。あとはアプリケーション側の問題。
なお、車両の詳細な位置をモニタリングをする際は、地図をズームアップして市街地地図で確認するので、それはPCのモニターで表示できればOKなのです。言い換えると別ウィンドウで常時広域マップを表示させて複数車両の位置をモニタリングできればほぼ要件は満たせます。2つのウィンドウでGPS端末を追従して行く必要がある点がGPS/GISアプリケーションの機能的なポイントとなりそうです。
それ以外にはおそらく多くのGPS/GISアプリケーションの概念にあるであろう、ユーザーレイヤーを使用したいというニーズです。ランドマークを任意に設定しておいて表示・非表示出来れば事足りそうです。このランドマークをCSVファイル等の読み込みで更新できればより親切で要件はクリア出来ます(CSVファイルならExcelやデータベースでスッキリと管理出来ますからね)。
しかし、リサーチしてみた範囲では、このシンプルな要件に合うGPS/GISアプリケーションが市場に存在しません。タクシーの配車システムや運行日誌の記録等、複雑な付加機能がついているものがほとんどで、比較的安価なパッケージソフトを選択したとしても使い勝手を考えると疑問が残ります。
また、運用費を考慮すると既に使用している音声通信用無線を、位置情報伝達のインフラとして使用する案が有力になってきました。当初はFOMA網を使用する考えでいましたが、現状無線通信が行えないエリア(電波が届かない)は許容出来るというクライアントの回答があった為運用コスト面で一気に浮上です。
色々リサーチをしてめぼしい地図アプリケーションのエンジン付き開発環境をピックアップしました。.NET環境で開発出来るWindowsアプリケーションがターゲットです。
MapDK5
MapFanでお馴染みのインクリメントP社が提供している、地図ソフトのエンジン付き開発環境です。GPS機能付きGISを検索すると、MapDKで作成されたと思われるアプリケーションが多く流通している様子が伺えます。開発のやりやすさを優先させるなら実績の多さとサポートを評価すべきなのかも知れません。開発環境には地図データも含まれているそうなのでライセンスを購入すれば開発が可能となります(価格はオープンプライス、要問合せ)。体験版の提供もしてもらえる様です。
MapQuestDotNET
Mapquest社が開発環境を提供しています。こちらの開発環境は金額が明示されています。サンプル・コードも多く添付していたり、30日の機能制限ナシ体験版を無償で提供してもらえるそうなので、開発環境の候補として上がってくると思います。
今回の要件にある、外付けディスプレイに広域マップを常時表示する機能について、機能とライセンス上問題なく実現可能という回答をいただいたのはインクリメントP社の製品でした。同社の体験版は地図や機能に制限があるものの、期限は無いものを提供していただけるとのことです。体験版が届いたら検証してみる予定です。
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