Linux Mintが気に入って、debianユーザーである自分にはdebianエディションがフィットすることに気づいてから愛用しています。キーボードの感触が気に入っている古いノートPC(Vista時代の型遅れ)でも十分に使えるレベルで動いてくれるのでお気に入りです。
とてもシンプルにうまく仕上げてくれているので、古いPCでも実用レベルで動きます。あまりカスタマイズをして使う気は無いのですが、「ウェブアプリ(webapp-manager)」が便利なことに気づいたので使い方を紹介しておきます。これを活用すればパソコンに不慣れな親にも使わせることができそうです。
Linux Mint開発陣のセンスの良さ
Linux Mintを使ってみて気づいたのは、このディストリビューションを開発している人たちのセンスの良さです。インストール直後に必須となる設定は、「Welcomスクリーン」から簡単にアクセス出来ます。
Linux Mintは日本語入力の環境を整えるのも簡単です。素のdebianの場合は、IbusやFcitx、Mozcなどのパッケージ名を知っていてパッケージを自力でインストールして設定する必要がありますが、Linux Mintの場合はどこから設定すれば良いかだけ分かれば事足ります。インストールはボタンをクリックするだけですからね。(必要なパッケージがワンタッチでインストールされる)
また、マルチメディア系では「YtDownloader」や「Hypnotix」も便利ですね。地上波放送のテレビを観る時間は無くなるくらいなものではないでしょうか。Linux Mintの開発陣がうまくまとめ上げてくれているのでインストール直後から短い時間で便利に使える状態をセットアップできます。
ウェブアプリ(wabapp-manager)について
左下のスタートボタンをクリックし、「インターネット」ー「ウェブアプリ」を起動すると、ウェブアプリが使用できます。このアプリは、本来Webブラウザー(Firefox)でアクセスするサイトをメニューに登録しておくことができ、アプリを起動する感覚でWebサービスを利用できます。

左下のスタートボタンをクリックしてからメニューを選択できるので、Webブラウザーを起動して、ブックマークから探し出してという手間は省けます。
PCに不慣れな人に(親世代とか)
PCの操作になれている人であれば、Webブラウザーを起動してURLを入力(または検索)して目的のサイトにアクセスするでしょう。良く利用するサイトの場合はお気に入り(ブックマーク)に登録しておくかも知れません。しかし私の親世代になるとWebブラウザーを起動して・・・という感じには使えません。
まずWebブラウザーを起動するのがハードル1個目です。そしてGoogleなどで検索して、ようやく目的のサイトに到達できるかどうかです。適切な検索ワードを思いつかないと目的に到達出来ないことも多々あります。
ウェブアプリ(webapp-manager)の使い方
PCに慣れている人が、予め使うであろうサイト(Webサービス)をピックアップしておいて、「ウェブアプリ」にまとめておいてあげれば、PCに不慣れな人でも比較的容易に目的に到達出来ます。

「+」ボタンをクリックしてWebサービスを登録していきます。

インターネット接続時のIPアドレス診断として、診断くんを登録してみました。アイコンはアドレス欄の右側のボタンをクリックするとFaviconを取得してくれます。
カテゴリは、スタートメニューをクリックした時にどこに分類されるかを指定できます。今回はデフォルトの「ウェブ」に分類してみました。

こんな調子でWebブラウザでアクセスできるWebサービスなら登録できるので、良く使用するものをPC操作に慣れている人が登録してあげれば、PC操作に不慣れな人でも少ない手間で目的のサイト(Webアプリとして)を起動することができます。
使い方はアイディア次第
Webブラウザにブックマーク登録するのと何が違うの?という疑問も出てくると思いますが、
- スタートメニューからいきなり起動できる
- スタートメニューにカテゴリー分類できる
- わかりやすいアイコンを指定できる
- 登録のしかたによっては画面いっぱいに表示できる
この様な特徴があると言えるでしょう。例えばYouTube動画を登録する場合は、エンベデッドURLを指定しておけば、画面に大きく動画を表示させることが出来ます。最小限の要素しか表示されないので、操作に不慣れな人も戸惑う要素が減ります。
私の場合は、
- IPv6接続診断のURLを登録
- IPv6ダイナミックDNSの更新URLを登録
- Internet Speed Testを登録
- Microsoft Office 365 Web版(Microsoftアカウントで無料)
こんな感じで、主にネットワーク診断系のWebサービスを「ウェブアプリ」として登録しています。Webブラウザを起動してブックマークから呼び出す手間を少しだけ省けることが出来ます。
「デスクトップにショートカットをおいておけば良いじゃん!」という意見もあるかも知れません。確かに、ショートカットをデスクトップに沢山並べている人もいますね。しかしアイコンの位置が変わってしまうと探すのが大変ですし、他人が使っているPCは本当に使いづらいです。
スマートにPCを誰でもわかりやすく使用する為に、一手間加えておくだけで見通しが良くなる工夫じゃないかと思います。個人的には「ウェブアプリ」という機能は気が利いてると思いますし、Linux Mint開発陣のセンスの良さを感じ取れます。

私の場合は、この様にして「ウェブ」カテゴリーにネットワーク診断系のWebサービスを登録して使用しています。

用途はアイディア次第なので、業務用だったら社内Webシステムなんかを登録しておいても良いでしょう。私の仕事は社内情シス業務なので、ネットワークプリンターの設定画面へのURLをまとめて登録しておいても便利じゃないかなと思います。まあ職場のPCはWindowsなんですけどね。
Microsoft Office 365 Web版(無料)を登録しておくと相性が良い
多分、私が使った中で一番この「ウェブアプリ」と相性が良いのは、Microsoft Office 365(Web版)です。Microsoftアカウントを持っていればWeb版のOfficeが無料で使用できます。

Webブラウザ(Firefox)から飛び出した様な状態でMS-Office(Web版)が使用できるので編集に没頭しているとWebブラウザで作業しているのを忘れてしまいます。ウィンドウがポンポンと増殖されるのがやや気になりますが、タブやアドレスバーが非表示のWebブラウザ上で動いているのは間違いありません。

Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneDrive、Teams、OneNoteが使えます。
保存先はOneDriveにしておけば、Windowsパソコンとのやり取りもシームレスに行え、感覚的にはLinux Mint上でExcelやWordを使用している錯覚になります。Web版なのでユーザーインターフェースに違いがあってそこは違和感を感じざるを得ませんが、無料でExcel、Wordなどが使用できるのはありがたいです。
つまりWindowsの有償版Officeと、Linux上のWeb版Office365(無料版)で行き来しながら編集をすることも可能です。保存先を意識的にOneDriveに保存しておく様にすれば、何が何でもWindowsじゃないとダメだという縛りが無くなり、プラットフォームの選択肢が広がります。
個人的な使い勝手を簡易レビューとして言えば、書式設定なんかはちょっとWeb版だとやりづらいので(慣れの問題かも知れませんが)、Web版では主に文章などを入力する用途にして、書式設定をしたり整形する作業はWindwos版のOfficeで仕上げるというのが合理的じゃないかと感じます。もしくは予めWindows版のOfficeで書式等を定義しておいてから、Web版で作っていくのもありでしょう。例えばWordはキチンと使いこなせる人にとっては書式設定(段落設定など)が面倒な作業であり仕上がりにも影響する部分だとわかりますから、そういうところはWindows版のWordで作り込んでおいたらキレイに仕上がります。
これは想像ですが、マイクロソフトもOfficeを売り切りではなく、サブスクに誘導しようと躍起になっているので、Web版を無料で使用させてでも裾野を広げてサブスクユーザーを獲得しようと試行錯誤しているのでしょう。私はWindows版のOfficeも所有していますが、Windowsプラットフォームが快適じゃないので、ありがたくLinux環境でWeb版を無料で使わせていただくことにします。(LibreOfficeで事足りることが多いですけどね)
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